技術推進ワーキンググループのご紹介

アットウェアには、社内の技術推進を目的としたワーキンググループ (以下、技術推進WG) があります。 技術の開拓・勉強会・社内への普及活動など、エンジニア組織の技術力を継続的に高めるための活動を担う活動体です。

今回はWGの活動の一つとして、Claude Code 勉強会 (‘26.05.21) をご紹介します。

勉強会の開催理由

今までも AI に関する勉強会や推進活動は多く行われてきましたが、 特に最近 Claude Code の組織利用を会社として本格化し、 各プロジェクトへの AI Agent 導入が進み、日常的に使うメンバーも増えてきました。

ただ、そこで一つの問題が見えてきました。 AI Agent の活用の深度が、個人によって違うのです。 AI Agent を毎日使いこなしているメンバーがいる一方で、まだ使い始めたばかりというメンバーもいます。 さらに各プロジェクトの中でノウハウが積み上がり、知見がサイロ化しているところがありました。

勉強会を開いた目的は大きく3つです。 「今更聞けない基礎知識の底上げ」「各プロジェクトでの導入加速」、「プロジェクト間で縦割りになっている知見の再分配」。

ということで、今回改めて Claude Code の基礎的な内容の勉強会を行うことにしました。

Claude Code 勉強会の内容紹介

Claude Code 勉強会の発表資料

第一部: 基礎的な実践技法

  • CLAUDE.md — 役割の正しい理解と、何を書くべきか
  • 権限制御 — allow/ask/deny ルール、設定ファイルの優先順位、各 Permission Mode の違い、Sandbox
  • 実行モードとモデル — Plan mode、モデルの選択と使い分け
  • メモリ — Auto Memory の仕組み
  • ハーネスの全体像 — Skills・Slash Commands・MCP・Plugins それぞれの役割
  • Rate limit 対策 — Prompt Caching の仕組みと節約テクニック
  • その他の便利機能 — statusline、/btw・/rewind・/loop・/batch などのコマンド、ショートカット

AI Agent による開発効果を最大化するうえで、ハーネス設計は非常に重要です。ただしドキュメントの中身を語る前に、まず CLAUDE.md や Skill そのものの動作原理・内部仕様を理解しておく必要があります。

権限設定は重要です。セキュリティの側面だけではなく AI Agent のスループットを落とさないためにも、Claude Code の権限の仕組みを理解し活用する必要があります。 そのために調べて情報を整理するのは手間がかかるため、各プロジェクトでスムーズに導入してもらうためにも今回の内容でカバーしました。

また slash commands のような機能は、普段使いしていても意外と知られていないものが多くあります。改めて押さえることで有用だと考えました。

第二部: 社内の利用インサイト

ツール別に、社内で実際に使われている例を紹介しました。

  • Slash Commands — /plan・/code-review・/security-check・/ci-fix-loop・/kiro:spec-* など
  • Skills — superpowers・empirical-prompt-tuning・frontend-design など
  • MCP — Serena・context7・Playwright・Backlog・業務システム連携 など
  • Plugins — frontend-design・code-review・feature-dev・Caveman・Superpowers など

そのうえで、利用状況から見えてきたインサイトを共有しました。

  • プロセスの外部化と自律実行
  • Context の動的な制御
  • 組織的なボトルネックと今後の展望

利用インサイトの素材集めにも Claude Code を活用しました。 活発な利用メンバーに収集用のプロンプトを渡し、利用インサイトを言語化してもらう形で情報を収集しました。 暗黙知の言語化手法として有効で、AI を積極活用しているメンバーが何をどうしているかが自然と整理されました。

やってみてわかったこと

当初の目的は、概ね達成できたと考えています。

Claude Code そのものの動作原理・内部仕様に対する理解 (プラットフォーム知識) は断片的に把握されがちですが、今回それを体系立てて整理できました。 活用しているサードパーティ製の Plugin を共有するだけでも効果がありました。体系的な知識以前に、その Plugin を知っているかどうかという単純な認知の差があり、それが埋まったからです。

続く座談会では、それぞれが現場で抱えていた疑問が持ち寄られ、プロジェクトをまたいで知見が交換されていきました。実際に出た話を挙げます。

  • 仕様駆動開発のプラクティス
    • spec workflow 系 Plugin の活用
    • 仕様書の差分管理が煩雑になる問題
    • 管理コストの高さから、タスクスコープのプラン + TDD を仕様の正典とする運用への切り替え
  • AI Agent のインフラ領域への適用
    • ステージング環境などへ適用した運用事例
    • TDD を軸としたハーネスに適するのは CDK か、Terraform をどう扱うかという論点
  • レビュープロセスの役割分担と開発ベロシティ
    • 人間のレビューがボトルネックになる問題への対処
    • 複数の AI Agent にレビューと修正を反復させ、ベロシティを高めた運用

ハーネス設計はまだ誰もが手探りの段階にあり、今後の課題として知見を深め、再現性のあるベストプラクティスとして体系化していく取り組みが必要です。 コード生成以外の領域、とりわけインフラ運用など AI Agent の適用が難しい分野でいかにスループットを引き出すかも重要な課題です。

これからの展望

私たちは今後、AI Agent の技術領域でも推進を加速させていきます。 そのために、特に次の3点へ力を入れていく必要があると考えています。

  • サイロ解消とナレッジマネジメントの推進 — プロジェクトごとに分断されていた知見を、組織全体で循環させる。今回の勉強会をその起点とし、継続的なナレッジ共有の仕組みへつなげていく。
  • ハーネス設計の知見を育て、共有資産にする — ハーネス設計はまだ誰もが手探りの段階にある。ノウハウを共有するだけでなく、再現性のあるベストプラクティスとして知見そのものを育てていく必要がある。
  • AI の DevOps ライフサイクル全体への適用 — コード生成にとどまらず DevOps ライフサイクル全体へ適用を広げ、開発スループットの最大化を図る必要がある。Role を緻密に設計して AI Agent が動ける領域を最大化する、人間のレビューは要所だけに絞るなどのプラクティスを確立する。

最後に

アットウェアでは「システムで人々をしあわせにする」というミッションのもと、高い対話力と技術力を持ったエンジニアを募集しています。 この取り組みに共感していただけたなら、ぜひお気軽にお声がけください。