こんにちは!アットウェアの若杉です。
2026年5月28日に弊社が主催するコミュニティ勉強会 「atWare Collaboration Canvas Vol.5」 をWeWork オーシャンゲートみなとみらいにて開催しました!
第5回目となる今回のテーマは 「AIゆるLT大会〜みなさんのやってみたを持ち寄る夜〜」です。昨今の生成AIの急速な進化を受け、社内でもAIエージェントの活用や開発が非常に盛り上がっています。今回は日常生活に溶け込んだ「ゆるい活用例」から、業務をハックする「ガチの開発事例」まで、バラエティ豊かな9つのセッションがありました。
イベントに参加できなかった方も、当日の盛り上がりを疑似体験できるように開催レポートをお届けします!

オープニングの様子
撮影場所:WeWork Ocean Gate Minatomirai 共用エリア
セッション紹介
今回のイベントは、オープニングに続き9名の登壇者によるLT(各6分)とその後の懇親会という流れで開催しました。
LTは、以下のタイトルで発表されました。
- Instagram投稿をAI編集アシスタントと格闘している話
- MCP(Model Context Protocol)を活用した社内RAGの構築と実用ハック
- Claudeでネイティブアプリ作ってみた
- Claude Code で作ったアプリで脆弱性が見つかりまくった話
- AIに渡した、一枚の業務マニュアル
- 社内でAIコンサルしたら、かなり良い成果を出せた話
- AI駆動開発で”なんでもハンズオン環境”をつくってみた
- ClaudeCodeの働きっぷりをOTELで観測する(したい!!!)
- AIはデザインツールになれるか?
この中から、弊社メンバーによる発表を要約してご紹介します!
Instagram投稿をAI編集アシスタントと格闘している話
- 登壇者:栗山さん
- テーマ:日常のAI活用と生成AIとの適切なディスタンス
最初のセッションは、バックオフィス業務を担当している栗山さんによる日常生活における身近なAI活用についてのLTです。栗山さんは趣味の旅行や食事の写真をInstagramに投稿する際に、写真の選定や加工そして投稿文の作成にいたるまで、生成AI(SnapchatのAIアシスタントやClaudeなど)をどのように活用しているかをシェアしてくれました。
✨ 課題とAIによる解決アプローチ
- 写真選定の自動化:似たような構図の複数枚の写真から「どれが一番Instagram映えするか」をAIに相談。AIが「構図のバランスや没入感」を基準に的確な1枚を選定。
- 逆光・暗い写真の補正アドバイス:旅行先で撮った逆光の写真をAIに見せ、加工アプリ(Snapchatなど)の明るさ、コントラスト、ハイライトなどの具体的な数値を指定してもらい補正を実行。
- 投稿文の自動生成:シチュエーションに合わせたキャッチーな文章をAIが作成。
💡 得られた知見と失敗談
AIは非常にポジティブで、それらしい提案をしてくれますが、時に「人間の感覚」とズレることがあります。例えば、AIの指示通りに色味を補正した結果、全体がただただ青っぽい不自然な写真になってしまったり、投稿文の事実関係(時間帯やロケーションのニュアンス)が実際とは異なっていたりすることがあったそうです。
AIの提案をそのまま鵜呑みにするのではなく、最後は人間の目で見て判断することが大切。AIはあくまで強力なアシスタント(二人三脚のパートナー)として、適度な距離感で付き合うのがベストだと実感したとのことでした。

栗山さんの発表の様子
撮影場所:WeWork Ocean Gate Minatomirai 共用エリア
MCP(Model Context Protocol)を活用した社内RAGの構築と実用ハック
- 登壇者:Mさん
- テーマ:オープンソースとMCPを組み合わせた社内ドキュメント検索の効率化
続いては、一転してガチ開発の話へ。Mさんは社内に散在する大量のドキュメント(マニュアルや各種手続き、Wikiなど)を効率的に検索・回答するための「社内RAG(検索拡張生成)」の構築事例について発表しました。
✨ 課題とAIによる解決アプローチ
- ドキュメントの表記揺れ問題:「アカウントを追加したい」というユーザーの検索に対し、ドキュメント側には「登録」としか書かれておらず、従来のキーワード検索ではヒットしない問題が発生。
- ベクトル検索の導入:意味ベースで検索を行えるようにオープンソースのベクトル変換モデル(Embedding)と類似度計算ライブラリ(Faiss)を組み合わせて技術構成を構築。
- MCP(Model Context Protocol)の採用:これまでは個別でプログラムを組む必要があったLLMと外部データ(ツール)の連携をMCPを用いて標準化。これにより様々なLLMを柔軟に切り替えて呼び出せる拡張性とトークン消費の削減を実現。
💡 得られた知見と失敗談
RAGを運用する上で、長文を適切なサイズに分割する「チャンク化」の壁にぶつかったそうです。単純に文章をぶつ切りにすると前後の文脈が失われ、AIが誤った解釈をしてしまいます。そこでMさんは 「分割した各文章の先頭に、元のドキュメントの『タイトル』や『章の見出し』のテキストをメタデータとして強制的に付与してAIに渡す」という工夫を施すことで検索・要約の精度を向上させたとのことです。
Claude Codeで作ったアプリで脆弱性が見つかりまくった話
- 登壇者:鶴川さん
- テーマ:非エンジニア営業が直面したセキュリティリスクとAIによるログ監視・自動修正
4人目は営業職を務める鶴川さんです。鶴川さんはClaude Codeを使って熱心にアプリを自作していましたが、ある日社内のエンジニアから「重大な脆弱性(セキュリティリスク)がある」と指摘を受けてしまいます。そこから始まったAIを使ったセキュリティハックの体験談でした。
✨ 課題とAIによる解決アプローチ
- 知らぬ間に鍵を開けっ放しに:セキュリティの知識が不十分だったため、AIが生成したコードの中に、外部サービスのパスワードやAPIキーなどの機密情報をそのまま「ベタ書き(ハードコード)」してGitHubなどに公開していた。悪意ある第三者がURLを叩けば、誰でも情報を取得できる危険な状態だった。
- OpenTelemetryの導入:アプリが裏側でどう動いているか、ログやパフォーマンスの監視データ(テレメトリーデータ)を標準化して収集する「OpenTelemetry」をアプリに組み込んだ。
- ログをAIに食わせて自動修正:収集した動作ログやエラーレポートをそのままClaude Codeに読み込ませ「脆弱性がある場所を検知して、自動で安全なコードに修正して」と指示するセキュリティチェックツールを自作。
💡 得られた知見と失敗談
AIに「セキュリティチェックをして」とただ丸投げするだけでは見落としが発生します。鶴川さんは 「AIに直接プログラムを触らせるのではなく、一度、外部の診断用スクリプトをAIに実行させ、その出力結果をもとにAIに修正案を考えさせる(待機・検証フェーズを挟む)」というプロンプト・運用の工夫を行うことで、非エンジニアでも安全に脆弱性を自動修正できる環境を作り上げました。AIを特別と思わず、日常のルーティン(習慣)に組み込むことの大切さを説いてくれました。
AIに渡した、一枚の業務マニュアル
- 登壇者:梶平さん
- テーマ:アジャイルコーチが実践する、AIを「優秀な同僚(ペア)」にする知的生産ハック
次のセッションはアジャイルコーチとして活躍する梶平さんです。「毎日AIに長文のプロンプト(指示文)を手動で入力するの、疲れませんか?」という問題提起から始まり、メモアプリ「Obsidian」とAIを高度に連携させた自律型のナレッジハックツール(Claude.md / LLM Wikiの応用)の実演デモが行われました。
✨ 課題とAIによる解決アプローチ
- プロンプト疲れの解消:人間が毎回細かく指示を出すのではなく、あらかじめAIの「役割」「ワークフロー(手順)」「完了の定義(DoD)」をテキストファイル(Markdown)でシステム的に定義。
- 自律的なノートの深掘り:人間がObsidian(メモアプリ)に書いた日々の雑多な一次メモや気づきをAIが検知すると、AIが勝手にその内容を深掘り・構造化した「統括ノート」を自動生成。
- ナレッジネットワークの自動構築:生成された複数のノート同士の関連性をAIが判断し、ノート内に相互リンク(バックリンク)を自動で付与。さらに、それらを総括する「ナレッジマップ(索引ページ)」のログも全自動で更新。
💡 得られた知見と技術的ブレイクスルー
このシステムを組むにあたり、長文データをAIに読み込ませる際の「コンテキストの欠落(チャンクの文脈崩壊)」が課題となったそうです。文章を細かく切ってAIに渡すと、AIが「これは何の話か」を見失ってしまいます。梶平さんは 「AIにデータを送る際、必ずその文章が属する『親ノートのタイトル』や『小見出しの文脈』をセットにしてAIにインプットする」という構造化処理(プロンプトとインデックスの工夫)を行うことで、AIが文脈を完璧に理解し、人間が驚くほど精度の高い「総括マップ」を裏側で勝手に更新し続ける仕組みを完成させました。AIをただの道具ではなく、思考を拡張してくれる「優秀な同僚(ペア)」として扱う未来を提示してくれた素晴らしいデモでした。

梶平さんの発表の様子
撮影場所:WeWork Ocean Gate Minatomirai 共用エリア
クロージング&懇親会

終了後の集合写真
撮影場所:WeWork Ocean Gate Minatomirai 共用エリア
全セッション終了後にWeWorkの開放的な空間で、美味しい軽食とお酒を交えた懇親会がスタートしました!
各LTで飛び出した「Claude Codeの具体的な設定はどうやってる?」「MCPのプラグインは何がおすすめ?」といった熱い技術談義から、「非エンジニアが開発を続けるためのモチベーション維持のコツ」まで、登壇者と参加者が一体となって遅くまで盛り上がりました。
改めまして、登壇いただいたみなさま、ご来場いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
アットウェアでは、今後も「Collaboration Canvas」を通じて、エンジニアだけでなく多様な人々が交わり、未来を共創できる場を提供していきます。
次回の開催は9月下旬を予定しています。次回もお楽しみに!