2025年10月10日(金)から10月12日(日)に函館で開催されたStartup Weekend 函館へ協賛し、私個人としても4年ぶりに参加しました。久しぶりの参加でしたが、非常に良い学びと出会いがあったので、スポンサー・参加者レポートとしてまとめたいと思います。

Startup Weekend とは?

金曜の夕方から日曜の夕方までの週末3日間で、アイデアを形にし、スタートアップ体験をするイベントです。持ってきたアイデアに対して「アイデアを欲しがっている人は誰なのか?」「アイデアを欲しがっている人は本当に課題を持っているのか?」「お金を出してまで解決したいのか?」「魅力的なソリューションとして洗練されているのか?」を検証しながら進めていくイベントです。


Startup Weekend のルールはたった1つ “No Talk, All Action.” 。建物の中で話し合っていることはすべて妄想に過ぎません。街や市を飛び出してでもアイデアに対しての検証を繰り返すことが大事になります。

チームビルディングからスタート

金曜日の夕方にアイデアピッチを “1分間でA4の紙1枚だけ” を使って実施します。端的に自分のアイデアを伝え、仲間を集め、チームを作っていきます。”仲間を集められない人が客やファンを見つけることはできるのでしょうか?” ファシリテーターからの厳しい言葉を胸にピッチを実施しました。

私がピッチしたアイデアには票が集まらず、チーム結成の候補に残りませんでしたが、他の方が実施したアイデアピッチが面白そうだったので、そちらのアイデアでチームを結成することにしました。ですが、そのアイデアも票が集まらなかったので、その場で二人チームに誘い、復活アイデアとしてチームを結成しました。

街に繰り出しヒアリングへ

アイデアは「函館で脱出ゲームをやろう!」でした。数十年ぶりに函館に戻ってきた方が “函館の街にはアートがないな。空き家もあるし、それらを活用して脱出ゲームできないかな?” と感じ思いついたアイデアでした。またチームを結成する際に参加した方は “カプセルホテルや民泊の一部屋から始めるシェアリング” というアイデアを持っていたので、この2つのアイデアを融合することにしました。

チームメンバーの1人に民泊運営の知り合いが居るので実際に会いに行き、アイデアに対する意見を聞きに行きました。宿は非常にきれいで、様々な要素が含まれており、非常に親身になってお話してくださいました。ありがとうございました!ぜひ皆さんも函館に行った際には泊まってみてください。サイトはこちらです

同じ目線に立っているのか!?

ヒアリングの結果、考えていたアイデアはターゲットの課題に一致しないのではないだろうか?そもそもこのチームは なにに情熱を注いでいるメンバー の集まりなのか?コーチングセッションでも “課題はなんなのか?”、“小さいところに目を向けすぎているのでは?”、“同じ目線になって話ができているのか?” などと厳しい指摘をいただきました。

一人ひとり何に情熱を注いでいるかの話をすると、5人 (2日目の午後に1人ジョインした) の中で一致していないことがわかり、二手にチームを分けることにしました。チームが途中で分断することはイベントとしても珍しくはなく、過去参加した際に分断を恐れて良くない行動をしていたので、今回は積極的に分断の動きを実施しました (笑)。

チーム分断後は、オリジナルのアイデア「函館で脱出ゲームをしよう!」をベースに進めていきました。このアイデアの根本にあった “地域活性” から “地方都市は外からの流入により活性を促すことができるのではないだろうか?” と考え、訪日外国人をターゲットとして旅行する上での課題を仮説設定し、2日目は終了しました。

英語でのヒアリングを実施!

ターゲットを訪日外国人にしたので、想定した課題「移動がしづらい」「有名どころしか行けていない」「地域の人たちと出会えていない」が存在しているのかを、建物を飛び出して検証しに行きました。

金森赤レンガ倉庫に行きましたが、朝早すぎて (午前9時) 日本人でさえほとんど人がおらず、JR函館駅に移動しました。4組の方々にヒアリングができました。相方の方が声をかけ、私が会話をするという方法で実施しました。相方の方は「英語ができない。Hello と Have a Nice Day しか言えない」と言っていましたが本当でした (笑)。

私も拙い英語でしたが、皆さん、親身に話を聞いていただきアンケートに回答していただきました。本当にありがとうございました。

結果は......

午前中ヒアリングをし、午後は発表会場である公立はこだて未来大学へ移動し、急ピッチで発表準備です。AIツールにかなり助けられました。スライドのベースとなるものはManusにより生成し、フォント等を微調整しました。ソリューションとしてWebアプリケーションを想定していたので、アプリ構想をプロンプトとしてStitchにて画面を生成。生成されたHTMLコードをDocker上のWebサーバーで発表時に表示しました。ローカルでの表示でしたのでブラウザのURLバーにlocalhostやIPアドレスが表示されるのが美しくないので、自己証明書を用意してブラウザのURLバーにはminna.travelと表示されるようにしました (誰もこんなところには気づいていないと思いますが...)

私たち含め7チームがあり、審査結果はどのチームも僅差だったと聞いています。結果、なんと優勝でした!かなり衝撃的でした。9回目の参加ですが、優勝は初めてです。地域課題に対してのアプローチや様々な拡大の余地などを評価していただきました。優勝景品として五島軒様のレトルトカレー8種類をいただきました。非常に美味しいカレーですので皆さん一度購入してみてください。サイトはこちらです

参加者としての感想

4年ぶり9回目の参加でしたが、Startup Weekendは毎回刺激をもらいます。

  • その場でどのようにチームを作っていくのか?

  • 本気でぶつかり合えているのか?

  • どのような課題を解決するためのアイデアなのか?

  • そもそも儲かるのか?

  • 市場が存在しているのか?

普段の仕事を進めていく上でも、ビジネスとして事業を創っていく上でも非常に大事な点を学び体験できる場所です。

「あったらいいなぁは、なくても良い」

ファシリテーターのとある一言ですが、非常に大事な点だと痛感しました。私たちは ”いいね” を集めたいわけではなく “それになら金を出すよ” の声を集めたい。この視点を忘れてはいけないと強く感じました。

スポンサーとしての感想

今回のStartup Weekendは学生の参加も多く、自身を奮起できる方々が非常に多く集まっていたと思います。学生時代から色々なことを知っておくことは将来必ず武器になるので、このような機会に私たちももっと関われるようにしていきたいと思います。

普段の業務では、当然ですが自身の会社の事業に関わることのみ実施します。自分の仕事をしっかりこなすことも非常に重要です。ただ同じように進めているだけでは面白くない (かなり主観を入れています)。Startup Weekendのようなイベントを通して周りを知り、いろんな人たちとの出会いを大事にしてください。この経験を普段の業務に活かしてもいいですし、起業してもいいと思いますが、どんどん何でもやっていきましょう!こんなことやりたいを言い続けることが大事です。

スポンサーセッションにてお話させていただきましたが、「こんなことやりたいを言い続ける。そしてそれを実行し続ける。」これが非常に重要で、それを実際に体験できるStartup Weekendはとても素晴らしいイベントです。

最後に

今回Startup Weekend函館の開催にあたり、ご尽力いただいた関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。参加者としても、スポンサーとしても非常に素晴らしい機会になりました。

Startup Weekendの輪が広がり「The world’s starting point for entrepreneurship.」として邁進していくことを祈っております。


私たちはシステム開発を得意としているSierです。様々な業種・業態のお客様のシステム開発を実施しており、”本当に価値があるシステムとはどんなものだろうか?” を常に考え、お客様と会話をして、システムを創り上げていきます。社員一人ひとりが考え実行していくことを大事にしています。